作業所の建設
知的障がいの子を持つ親たちの会「豊丘村手をつなぐ親の会」が「共同作業所」を作ろうと取り組みを始めたのは昭和60年であった。当時はまだ施設福祉に頼るしかなかった時代であった。親たちは村に共同作業所の開設を陳情した。障がいを持つわが子を隠さず、敢えて地域にこの子らの働ける場所を作ろうとする勇気と、耳慣れない「共同作業所」という言葉は瞬く間に村内に拡がった。
村では親たちの要望に応えて、村有地にあった遊休施設を改築し、県単「障害者老人等共同作業訓練事業」を取り入れ、手をつなぐ親の会に運営委託した。開所の運びになったのは昭和62年1月であった。親たちは村花と同じに愛され育んで頂くことを願って「こぶし園」と名付けた。開所に漕ぎつけたものの、仕事の確保指導員の確保運営資金など困難を極めた。しかし、わが子たちのためには前に進むしか道はなかった。
法人化をめざして
苦節十年、苦しくも何とか運営できるようになったとき、親たちは還暦が目前になっていた。「親亡き後はどうなる」「誰に委ねる」悩みは尽きない。行き着いた結論は、我々が出来るうちに「この地で安心して暮らせる」ようにすることであった。
法人化の研究、資金づくり、賛助金のお願い、想いのアピールなどを2年間、「通所授産施設」として再出発したのは平成10年4月であった。さらに歩みは続いた。
支援費制度から障がい者自立支援法の成立で事業拡大
平成15年国において「支援費制度」がスタートした。期を一にして信濃こぶし会も「居宅支援事業」の開設と「ケアホーム」の建設に着手した。
国において平成18年「障がい者自立支援法」が成立翌年から施行され環境は一変した。
契約により、親や我が子の願いや想いがサービスとして受け取れる時代となった。
親たちは「安心してくらせる地域をつくるために」サービス事業者としての道を選んだ。
利用者が多くなっていたこぶし園は就労支援B型と生活介護に、隣村喬木村の中古建物を購入して障がい児学童保育を児童ディサービスに、移動支援・行動援護を加えて居宅介護事業を拡充、ケアホーム3個を法施行と同時に新体系に移行して事業拡大してきた。
総合支援支援法のもとで
平成24年障害者自立支援法が改正され、障害者総合支援法となりました。
この障害者総合支援法のもとで現在
・就労支援B型事業所 ・生活介護事業所 ・居宅介護事業所 ・グループホーム (共同生活援助事業所) ・放課後ディサービス ・発達支援事業 ・短期入所(単独型) ・相談支援事業 | こぶし園(30) 第二こぶし園(30)、 ユアサポートぽっぽ(30) ヘルパーステーション小川 すけっと ゆうハウスこぶし(7) さんらいず(7) いちょう(5) 小川ハイツ(5) はぴねす(4) パワーすぽっと(2) グース (10) アイビス(10) パドルダック (5) パドルダック (5) ぐーすか家(3) あのねっとこぶし |
などの事業を通じて役職員一同が、『安心して暮らせる地域をつくるために』奔走しています。
昭和60年3月 | 豊丘村手をつなぐ親の会 就労施設学習会 |
昭和60年4月 | 豊丘村手をつなぐ親の会希望の旅 名古屋東山動物園へ 就労施設づくりの要望が出される |
昭和60年12月 | 豊丘村手をつなぐ親の会 村に共同作業所開設要望書提出 |
昭和61年3月 | 共同作業所設置場所 旧豊丘村農協選果場の現在地に決まる |
昭和61年7月 | 親の会3役と村の理事者と共同作業所開設で協議 開設62年1月、名称「こぶし園」、運営親の会に委託とする |
昭和61年11月 | 旧選果場改修工事着手工事費230万円 12月完成 |
昭和62年1月 | こぶし園開所 利用登録11名、活性炭浸漬作業、ダンボール組み立て、天恵製菓菓子箱折 |
昭和63年3月 | 通所援護事業補助金交付申請提出 |
平成2年7月 | 工賃収入少なく園生工賃、指導員給与引き下げ |
平成4年6月 | 佐々木健司副園長就任 農作業取り入れ |
平成5年1月 | 椎茸栽培取り入れ 竹炭作業取り入れ |
平成6年4月 | 佐々木副園長白樺の家施設長に転出 桜井辰郎副園長就任 |
平成6年9月 | 法人化と通所授産施設学習会 講師佐久コスモスワークス 理事長木内正樹氏 |
平成7年1月 | 豊丘村に法人化通所授産施設建設協力を要請 |
平成7年7月 | 法人設立発起人発足 |
平成7年10月 | 村長 議会に1000万円補助を申し入れ |
平成8年1月 | 発起人会賛助金募集を開始 |
平成8年3月 | 豊丘村1000万円補助を決定 |
平成8年12月 | 賛助金集計4,815,391円 こぶし園自己資産6,400,000円 |
平成9年1月 | 法人認可申請 |
平成9年7月 | 法人認可の内示 |
平成9年8月 | 法人認可される |
平成9年8月 | 社会福祉法人信濃こぶし会第1回理事会 理事長片桐秀人氏、園長久保田悦男氏を選出 |
平成9年9月 | 法人登記 |
平成9年10月 | 園舎建設発注総事業費8744万円 内訳 国県補助5246万円 豊丘村補助1000万円 自己資産(賛助金を含む)2497万円 |
平成10年4月 | 通所授産施設「こぶし園」開園 こぶし園通所者保護者会発足 会長林 武司氏 |
平成10年11月 | 歌手川中美幸さん来園 |
平成11年5月 | 理事久保田悦男園長辞任、桜井辰郎氏園長に就任 |
平成12年1月 | 豊丘開発㈱所有土地建物300万円で購入 |
平成13年3月 | 桜井辰郎園長辞任、那須弘人氏園長就任 |
平成13年7月 | 田中康夫長野県知事来園 生活寮の補助を陳情 |
平成14年3月 | 保護者会拠出金残金1括納入を推進 |
平成14年6月 | グループホーム建設決定 県補助を申請 |
平成14年10月 | 県と生活支援ワーカー設置を契約 |
平成14年11月 | グループホーム着工 総事業費3550万円 県補助1390万円 借入金2160万円 |
平成15年4月 | 障害児学童保育開設 宝健荘(現生活支援センター)1000万円で買い取り 改修工事(喬木村)に着手 |
平成15年5月 | グループホーム「ゆうハウスこぶし」竣工 |
平成15年6月 | 居宅支援事業「ヘルパーステーション小川」開設 |
平成15年8月 | 生活支援ワーカー、障害児童保育を喬木村に移転 「飯伊知的障害者生活支援センター」として開所 |
平成15年10月 | 西駒郷地域移行で県の要請を受け第2グループホーム建設 総事業費3200万円 内県補助1800万円自己資金1400万円 |
平成16年4月 | 清水基金で障害者デイサービス施設整備 総事業費1040万円 清水基金600万円 自己資産440万円 |
平成16年6月 | グループホーム「さんらいず喬木」、デイサービスセンター「ぽっぽ」開所式 |
平成16年10月 | 県の要請により、生活支援事業を飯田市上郷に移転、「総合支援センター」として発足 |
平成17年4月 | 理事那須園長辞任、登内尚二氏園長就任 障害児学童保育、児童デイサービスに移行 |
平成17年11月 | 第3グループホーム建設着工 総事業費2940万円 |
平成18年4月 | 障害自立支援法施行 新事業体系移行を検討 |
平成18年5月 | グループホームいちょう開所 |
平成19年1月 | 第2こぶし園施設整備 総事業費8200万円 国県補助5200万円 自己資金2000万円 借入金1000万円 |
平成19年4月 | ぽっぽ 生活介護自立訓練多機能型に移行 |
平成19年10月 | 第2こぶし園 新事業体系生活介護20人で事業開始 |
平成20年3月 | 第4グループホーム用土地建築購入 |
平成20年7月 | 旧選果場大規模改修着工 総事業費2000万円 補助金1800万円 自己資金200万円 |
平成21年4月 | こぶし園新事業体系就労支援事業に移行 |
平成21年4月 | 登内園長辞任 小椋吉範園長就任 |
平成21年4月 | グループホーム「小川ハイツ」開所 定員5名 |
平成21年8月 | 福祉職処遇改善事業で改善計画作成 |
平成21年9月 | 基盤整備事業で支援センター1階(児童デイサービス)整備 1,100万円 |
平成22年3月 | 短期入所(単独型)建設・開所 建設費420万円 日本財団補助金310万円 自己資金110万円 |
平成22年7月 | 利用者(吉澤勝氏)行方不明事故発生 |
平成22年8月 | 安全大会開催 講師 依田窪福祉会 村岡常務理事 |
平成22年11月 | 第三者評価実施 |
平成23年1月 | 行方不明利用者発見 葬儀 |
平成23年6月 | 基盤整備事業で支援センター屋根・壁改修工事 650万円 補助金500万円 自己資金150万円 |
平成23年11月 | 児童デイサービス「パドルダック」開所 |
平成24年3月 | こぶし園内部改修 工事費 自己資金420万円 |
平成24年4月 | 法人本部設置 相談事業所開所 |
平成24年7月 | 児童デイサービス「アイビス」開所 |
平成25年6月 | 居宅介護事業「すけっと」開所 |
平成26年4月 | 第5ケアホーム「はぴねす」開所 事業費 3,255万円 |
平成27年9月 | 支援センター前庭整備 タナダ工業 事業費 418万円 |
平成28年3月 | 多目的利用施設建設「ハートスペース小川」「パワーすぽっと」 事業費 2,354万円 |
平成29年4月 | ユアサポートぽっぽ移転新築
総事業費15,547万円
補助金9,020万円、自己資金6,527万円 |